生成AIの業務利用に関するガイドライン(第2版)

1.目的と基本方針
 建設関連業務における生成AIの利用について、情報の安全管理と成果品の品質保証を両立させることを目的とします。当社は、生成AIを「技術者の思考を補助するツール」と位置づけ、最終的な判断と責任は必ず技術者が負うものとしています。

2.セキュリティと情報の取り扱い(厳守事項)
 発注者から預かる機密情報および個人情報の流出を防止するため、以下のルールを徹底します。

入力禁止情報の定義:
発注者名、業務名、設計書、具体的な地名・施設名

非公開の図面データ、測量成果、調査データ、積算価格
地権者名、住民説明会記録等の個人情報、行政情報

なお、社内規程に定める方法により加工し、個人を識別できず、かつ発注者名、業務名、施設名および位置を特定できない状態としたものは、上記の入力禁止情報に該当しないものとして取り扱います。加工の方法、承認の手続および業務区分ごとの具体的な分類は、「生成AI利用管理規程」に定めています。

利用環境の制限:会社が承認した「入力データが学習に利用されない設定(オプトアウト版)」のみを使用します。個人アカウントの利用は原則禁止とします。利用するサービス、その提供元および学習排除の根拠となる契約条項は、同規程の別表に定めています。

3.業務別活用範囲の区分
 業務の性質に応じ、以下のとおり利用範囲を制限します。

区分 活用内容 具体例
推奨 事務効率化・構成案作成 報告書の骨子作成、メール文案、議事録要約
許可 技術検討の補助 基準書の解釈補助
禁止 直接的な成果物転載 AI生成文の無断転載、未検証の計算結果の採用

本区分は、入力してよい情報の区分とは別の軸であり、両方を満たす必要があります

4.品質保証プロセス(ハルシネーション対策)
 生成AIには誤情報(ハルシネーション)のリスクがあるため、以下の検証を必須とします。

出典の確認:AIが提示した技術的根拠は、必ず最新の設計基準書、仕様書、法令等に基づき、技術者が直接裏付け確認を行います。

計算の再試行: AIが作成した数式やコードは、必ず既知のデータでテストを行い、整合性を確認します。

最終責任:成果品の内容に関する全ての責任は、業務責任者および担当技術者が負うものとし、AIの生成結果をそのまま最終成果品として採用することを禁止します。生成AIを利用して作成した成果物についても、社内の検査および照査は通常の手続と同一とし、生成AIの利用の有無により検査の要否ならびにその深度を変更しません。

5.報告および透明性の確保
 本業務において生成AIを主要なプロセス(解析補助や文章構成等)に活用した場合は、作業日報や打合せ記録簿等にその活用範囲を記録し、透明性を確保します。万が一、AIの誤用により権利侵害や事故が発生した場合は、速やかに監督職員へ報告します。

発注者との協議:業務の着手にあたり、生成AIを利用するか否か、および利用する場合の範囲について、発注者と協議します。発注者の指示により生成AI利活用計画書の提出を求められた場合は、業務計画書の添付資料として提出します。利用範囲に変更が生じた場合は、速やかに報告し、計画書を修正のうえ再提出します。

成果物への明示:生成AIを用いて作成した成果、または生成AIが成果内容の作成に実質的に寄与した箇所については、その旨を成果物に明示します。画像等に利用した場合は、原則として注釈を付します。生成AIを用いた成果物が契約書に定める特許権等の第三者の権利の対象となりうることに留意し、引用および図表の利用にあたっては、出典の明示および利用条件の確認を行います。

再委託先の確認:再委託を行う場合は、再委託先における生成AIの利用の有無を確認します。利用する場合は、利用目的、利用範囲、サービス名、入力情報の取扱いおよびリスク対策を書面により確認し、当社の管理と同等以上の水準が確保できない場合は、当該再委託業務における生成AIの利用を認めません。

6.理解の促進

リテラシー教育の推進:社員が生成AIを安全かつ効果的に利活用できるよう、生成AIに関する基礎知識や動向、活用方法に加え、情報漏洩や権利侵害などの注意点まで網羅した生成AIパスポートの取得を推進しています。汎用性が高く、ファイルの取扱いを伴うサービスについては、同資格の合格者に限り会社アカウントを付与しています。

成果とりまとめへの配慮:成果とりまとめにあたり、生成AI等が認識・解析しやすい形式となるよう、構造化された見出し体系および明確な章立て、図表へのキャプションの付与、要旨等の機械可読性の高い形式での作成、元データの提供に努めます。対応が困難な場合は、発注者と協議します。

知見の共有:技術開発や、効率的な生成AIの利活用を検討します。活用によって得られた知見や注意点などを受発注者間で共有し、品質の向上に努めます。

ガイドラインの検証:生成AIに関する技術の進展や社会状況の変化に応じて、継続的に検証していきます。また、本ガイドラインに基づき、実態に即した、より具体的なガイドライン等を別途定めることがあります。本ガイドラインを具体化した社内の手続は、「生成AI利用管理規程」に定めています。

令和8年9月1日改訂 

株式会社 寒河江測量設計事務所

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